問題文

アルコール類であるエタノール(C₂H5OH)が完全燃焼するときの熱化学方程式は次のとおりである
     C₂H₅OH+3O₂=2CO₂+3H₂O+1368KJ
エタノール92gを完全燃焼させたときに発生する熱量はいくらか?ただし原子量はC=12、H=1、O=16とする。

とりあえずは計算ってだけでムリな気がする・・・

ちょっとしたコツがあれば大丈夫♪

どんな?

比例式♪

式は1molあたりのお話なのでまずはmolを求めておこう

この分野の化学計算は「重さ」「体積」「原子(分子)の数」「mol(物質量)」が出てきますが・・・

学習者(以下 学):化学式が苦手です・・・っていうか何のことかよく分かってないんですよね・・・。
講師(以下 講):まあ、そういう人、多いですよ。でもきっと出来るようになるんでご安心を♪さて、この化学反応式ですが、なかなかイメージしづらいし、そもそも目に見えていないので余計に厳しいですよね。なのであえてこの化学反応式を図にしてみるとこんな感じになります。


学:ほう・・・。それぞれの前の数と同じになるんか・・・。
講:いいところに気づきましたね♪この数が「mol(物質量)」ってやつです。

エタノールが1個と酸素3個で二酸化炭素が2個と水が3個さらに熱が1368(kj)発生する。

この個数のことがmolってやつだと考えていいですよ♪
学:それならできそう。
講:で、化学反応式はmolで出来ているので、他の単位もmolに変換する必要がある。

じゃあエタノール92gって何mol?ってことですね。

まずエタノールは46gで1molなんですね。計算としてはこのように加算していくと46gになることが分かるはずです。








学:12とか16って?
講:これらは問題中で与えられてる「原子量」ってのを使うんです。「Cは12g」「Hは1g」みたいに考えればいいですよ。

化学は比例式が使いやすい・・・かも


講:エタノール1molが46gってのはできたと思うので、問題文にちょいと戻ってみると・・・「エタノールは92g」となっています。じゃあエタノール92gって何molなん?ってことになるんですが、これもmolに直してみましょう。

ここで「比例」という考えをうまく使ってみましょう。



図のように、エタノール1molは46gで、実際のエタノールは92gなので、求めるmol数をXとおくと

エタノール1mol:46g=Xmol:92g

となります。これを計算するには

「内側と内側、外側と外側をかける」ので、

X=2となり、実際のエタノールは2molあることになります。

こんな感じで、化学の計算は比例式を使うといいことが多いです。

実際の解き方

講:じゃあまずは化学反応式の下にmol数を書き込んでみましょう。
学:係数をそのまま?


講:そうですね。で、次にエタノールのmol数を書き込んでみましょう。

講:で、重さを書き込んでいく。すると図のようになりますね。では次に実際の量を出していきましょう。



講:さらに、エタノールと熱量の部分だけを取り出して比例式に持ち込みましょう。





はい。できました!

類題練習・・・実際に手を動かして答えまでたどり着いてみましょう!

類題

メタンの燃焼は次式で表される。 H=1 C=12 O=16とする。

CH₄+2O₂=CO₂+2H₂O+2736(Kj)

(1)メタン8gのときの燃焼熱を求めよ。

(2)メタン22.4lのときの燃焼熱を求めよ。

類題の答えはこちらから

(1)1368kj
メタン1molは
(12×1)+(1×4)=16g

実際のメタンは8gあるのでこれをXmolとすると、
1mol:16g=Xmol:8gとできるので、これを計算すると0.5mol

化学反応式に書き込んでみると



ここでメタンと反応熱の部分で比例式を作ると



よって1368kj

(2)2736kj
メタンであれ何であれ1molは22.4lになります。
なので、今回のメタンの量は1mol。
よって化学反応式のとおりの数値になるので

2736kjとなります。

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