問題文
次の金属のうち、塩酸と反応して水素が発生するものを選べ。
①スズ ②白金 ③亜鉛 ④鉄 ⑤鉛
イオン化傾向とかイオン化列ってのを使う問題ですね。
イオンとか言われても、まずイオンが何かよく分かってない・・・
実際に見ることできないですからねえ・・・。
なんか学生のときに習ったような気もするけど・・・。
そうですね。このイオンって考えを使う問題もいくつかあるので、この機会に理解したうえできっちりと覚えてしまいましょうか!
イオンって何?
中学校の理科・高校の化学で登場する「イオン」・・・
学習者(以下 学):そもそもイオンって何者?
講師(以下 講):そうですね~。原子から電子が出ていくか入ってくるかして、プラスとマイナスの電気バランスが崩れてて、電気を帯びた状態になってるもの・・・。
学:・・・。
講:じゃあもう少しみていきましょうか。よく聞くであろう原子の一つに「水素」と「酸素」ってのがありますよね。
学:それは聞いたことある。
講:水素って図で表すと大まかには図のようになっています。プラスの電気を帯びている陽子がある部分を原子核といって、水素の場合にはプラスが1個、酸素は8個ある。そして原子核の周りにあるのがマイナスの電気を帯びている電子。普通は陽子の数と電子の数が同じなので、電気的には打消し合いが起きて中性になっています。
学:ほう。
講:じゃあイオンって何か?ってことになるんですが、水素は電子を他に渡したがる性質があって、逆に酸素は電子を貰いたがる性質があるんです。
学:なんで?
講:細かく説明するとイオン化エネルギーとか、もっと細かい話になっちゃうんですよね・・・。
学:じゃあいい。合格できれば。
講:そうですね。で、そうなると
水素・・・陽子1個・電子0個
酸素・・・陽子8個・電子10個
になるんです。すると水素は陽子が1個多いので、プラスのイオン。酸素は電子が2個多いので、マイナスのイオンになるんですね。これくらいおさえておけば大丈夫でしょう。
イオン化傾向・イオン化列って何?
なんとなくイオンが分かってきたようです・・・。
講:イオンがなんとなく分かってきたところで・・・各原子にはイオンになりやすいものとイオンになりにくいものがあるんです・・・。
学:なんで?
講:これも・・・。
学:分かってる。ま、聞いただけ♪
講:ナイス!で、
で、問題を解くのに必要な知識は・・・
イオン化傾向とかイオン化列といって、イオンになりやすいものから順に並べたものがあるんです。
リチウム→カリウム→カルシウム→・・・→金
で、覚え方としては「貸そうかな、まあ当てにすんな、ひどすぎる借金」
さらに詳しく見ていくとリチウム、カリウム、カルシウムは空気中にあるだけで勝手に反応が始まって燃え出すんです。水に入れても反応して燃え出すんです。
学:じゃあどうするん?
講:褐色ビンの中に石油を入れて、その中に保存・・・。
学:すごいな。
講:その一方で、白金とか金はほとんど反応しない。王水とかいうようななんかすごそうな液体にだけ溶ける・・・。ま、こんなふうになってますが、とりあえずは「溶けやすい順に並んでる」って知っておけば大丈夫です。
実際の解き方
・・・講:じゃあ実際に問題にいってみましょう。まずはイオン化列の順に並びかえてみましょう。
すると・・・Zn→Fe→Sn→Pb→Ptの順になります。で、左から順に反応しやすいので、とりあえずZnは確定にしておこう。
で、どこまでがHClと反応するかってことを考える必要が出てくる。
ま、図を見れば一目瞭然ですね。
学:ってことはコレを覚えてないといけないん・・・?
講:まあ、そういうことかな。でも練習していくうちに少しずつ覚えていくし、なんとな~く「ここまでは反応するやろ」みたいな感じにもなっていくはずです。
学:大変やな・・・。
講:あとは、このテストの特徴というか、マーク式ってことを考えれば、選択肢からも判断可能な場合もあるかもしれません。今回は選択肢に入っているのが、それぞれ1種類の原子なので、とりあえずイオン化列のいちばん反応しやすいものさえ分かればOKですよね。
学:確かに。
講:そうすれば、図1は知らなくても解ける。ってことになりますよね。
学:そうか。選択肢もきちんと考慮することが大切なんですね。
講:そう。そこから答えに必要なことを導き出せるかもしらにですもんね。
類題練習・・・実際に手を動かして答えまでたどり着いてみましょう!
類題
地中に埋設された危険物の金属製配管を電気化学的な腐食から守るために、配管に異種金属を接続する方法がある。配管が鋼製のとき、次のA~Eのうち、防触効果があるものはどれか。
A:アルミニウム B:スズ C:マグネシウム D:鉛 E:亜鉛
1 AとB
2 BとC
3 CとD
4 DとE
5 AとE
類題の答えはこちらから
5
鋼製ということは鉄(Fe)でできている。
鉄よりイオン化傾向の大きい(イオンになりやすい)ものを選ぶと、アルミニウムとマグネシウムと亜鉛の3種類。これらは鉄よりも先に反応してしまうため、結果として鉄は守られることになる。
そして、選択肢を見ると、これら3種類の組み合わせがあるものは「5」のみである。
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