はじめに
基本的に質問に答えてくれますが・・・。見当違いな答えもちらほら・・・。
便利なんだけど・・・。
ですよね。
なんかうまくいってないような・・・。
それは困ったもんですな。ちなみにどんなところ?
事例プロフィール
- 対象者: 30代の社会人
- 受験資格: 危険物取扱者乙種第4類(乙4)
- 性格・特徴: 効率を重視し、分からないことはすぐに調べるタイプ
- 開始時の状況: ChatGPTを頻繁に利用しているが、問題集の正答率が思うように上がらない
- 主な課題: AIから答えを得ることが中心となり、自分で考える時間が不足している
- 学習テーマ: 良い質問と改善したい質問の違いを理解し、学習につながる質問を身につける
はじめに

ChatGPTを使った資格勉強では、質問の仕方によって、得られる回答が大きく変わることがあります。
しかし、ここでいう「良い質問」と「悪い質問」は、文章が上手か下手かという意味ではありません。
たとえば、乙4の勉強中に「指定数量について教えて」と質問することは、決して間違いではありません。
初めて学ぶ内容であれば、そのような短い質問から始めてもよいのです。
ところが、すでに基本的な説明を読んでいるのに、同じ質問を繰り返していては、理解が深まらない場合があります。
また、問題を解けるようになりたいのに、AIから答えだけを教えてもらっていては、自分で考える練習が不足してしまうかもしれません。
大切なのは、質問する目的を明確にすることです。
何を知りたいのかだけでなく、質問したあとに何ができるようになりたいのか。
そこまで考えることで、ChatGPTは単なる解説ツールから、自分の学習を支える道具へと変わっていきます。
今回は、乙4の勉強でChatGPTを活用している学習者が、講師との会話を通じて、質問の質と学習効果の関係を理解していく様子を見ていきましょう。
質問しているのに、成績が伸びない
🔴 学習者
「先生、ちょっと相談があります。」
🔵 講師
「どうしました?」
🔴 学習者
「ChatGPTを使うようになってから、勉強はかなり楽になったんです。」
🔵 講師
「それはよかったですね。」
🔴 学習者
「でも、問題集の正答率があまり上がらないんですよ。」
🔵 講師
「そうなんですか。普段はどんなふうに勉強していますか?」
🔴 学習者
「分からないことがあったら、すぐChatGPTに聞いています。」
🔵 講師
「例えば?」
🔴 学習者
「『指定数量って何?』とか、『引火点と発火点の違いは?』とかですね。」
🔵 講師
「なるほど。回答を読んだあとはどうしていますか?」
🔴 学習者
「分かったと思ったら、次に進んでいます。」
🔵 講師
「問題を解いて確認することはありますか?」
🔴 学習者
「たまにはあります。でも、説明を読めば大体分かるので。」
🔵 講師
「そうなんですね。」
🔴 学習者
「それなのに、問題集を解くと間違えるんです。何が悪いんでしょう?」
🔵 講師
「いくつか考えられますが、質問の仕方にも改善できるところがあるかもしれません。」
🔴 学習者
「質問の仕方ですか?」
🔵 講師
「はい。今の質問は、知識を教えてもらうための質問が中心ですね。」
🔴 学習者
「それじゃダメなんですか?」
🔵 講師
「ダメではありません。知らないことを知るためには必要です。ただ、知識を教えてもらうことと、自分で問題を解けるようになることは別なんです。」
🔴 学習者
「確かに、説明を読んでいるときは分かるんですけど、問題になると迷います。」
🔵 講師
「では、実際の質問を一つ見せてもらえますか?」
🔴 学習者
「はい。昨日は『引火点と発火点の違いを教えて』って質問しました。」
🔵 講師
「回答は理解できましたか?」
🔴 学習者
「はい。引火点は火を近づけたときの引火に関係していて、発火点は火を近づけなくても発火する温度に関係する、という説明でした。」
🔵 講師
「基本的な違いはつかめていますね。」
🔴 学習者
「でも、問題集では間違えたんです。」
🔵 講師
「では、今のあなたに必要なのは、もう一度同じ説明を聞くことでしょうか?」
🔴 学習者
「うーん……。違うかもしれません。」
🔵 講師
「何が必要だと思いますか?」
🔴 学習者
「問題を解くときに、どう判断すればいいのか知りたいです。」
🔵 講師
「そうですね。では、その目的が伝わる質問に変えてみましょう。」
🔴 学習者
「どう変えるんですか?」
🔵 講師
「例えば、こんな質問です。」
改善前の質問
「引火点と発火点の違いを教えて」
改善後の質問
「乙4の勉強をしています。引火点と発火点の基本的な違いは理解していますが、問題文でどちらの説明なのか判断するときに迷います。見分けるために注目すべき条件を教えてください。」
🔴 学習者
「ああ、なるほど。自分が困っているところまで書くんですね。」
🔵 講師
「そうです。」
🔴 学習者
「でも、最初の質問も間違いではないですよね?」
🔵 講師
「もちろんです。初めて用語を学ぶときなら、十分役立つ質問です。」
🔴 学習者
「じゃあ、悪い質問というのは、短い質問のことじゃないんですね。」
🔵 講師
「そうです。今の自分の目的に合っていない質問は、改善の余地があるということです。」
🔴 学習者
「なるほど。自分が何をしたいのかによって、質問も変えたほうがいいんですね。」
🔵 講師
「そのとおりです。」
学習者は、改善した質問をChatGPTに入力しました。
回答を読んだあと、もう一度問題集を開きます。
🔴 学習者
「あ、今度はどこに注目すればいいのか分かります。」
🔵 講師
「では、自分で答えを選んでみてください。」
🔴 学習者
「はい。」
少し考えたあと、学習者は答えを選びました。
🔴 学習者
「正解でした。」
🔵 講師
「よかったですね。」
🔴 学習者
「質問を変えただけなのに、問題を解くときの考え方が分かりやすくなりました。」
🔵 講師
「質問の目的が明確になったからですね。」
🔴 学習者
「今まで、分からないことを聞けば、それで勉強になると思っていました。」
🔵 講師
「質問すること自体にも意味はあります。ただ、そのあと自分が何をできるようになるかが大切です。」
🔴 学習者
「なるほど……。」
答えを聞く質問から、考えるための質問へ
🔵 講師
「では、もう一つ練習してみましょう。」
🔴 学習者
「今度は何ですか?」
🔵 講師
「計算問題です。」
🔴 学習者
「ああ、計算問題は苦手です。」
🔵 講師
「普段、計算問題で分からなくなったら、ChatGPTに何と質問していますか?」
🔴 学習者
「『この問題の答えを教えて』です。」
🔵 講師
「そのあと、どうしています?」
🔴 学習者
「答えと解説を読んで、なるほどと思って終わります。」
🔵 講師
「同じ問題を、あとでもう一度解きますか?」
🔴 学習者
「……あまりやっていません。」
🔵 講師
「では、今度は質問を変えてみましょう。」
🔴 学習者
「どう変えるんですか?」
🔵 講師
「答えを教えてもらうのではなく、自分で答えを出すためのヒントを求めるんです。」
🔴 学習者
「ヒントですか?」
🔵 講師
「はい。例えば、『答えはまだ教えず、最初に考えるべきことを一つだけ教えてください』と質問します。」
🔴 学習者
「それだと、すぐには答えが分かりませんよね。」
🔵 講師
「そうですね。」
🔴 学習者
「でも、時間がかかりませんか?」
🔵 講師
「かかることもあります。ただ、答えを早く知ることと、自分で解けるようになることは違います。」
🔴 学習者
「それは分かるんですけど……。」
🔵 講師
「では、実際に試してみましょう。」
講師は、学習者に乙4の計算練習を示しました。
練習問題
「ある液体の質量が240g、体積が300cm³のとき、密度は何g/cm³ですか?」
🔴 学習者
「密度の問題ですね。」
🔵 講師
「はい。まず自分で考えてみてください。」
🔴 学習者
「密度って、質量と体積を使うんですよね。でも、どっちをどっちで割るんでしたっけ?」
🔵 講師
「では、ChatGPTに質問してみましょう。」
🔴 学習者
「いつもなら『答えを教えて』って聞くところですね。」
🔵 講師
「今日は少し変えてみてください。」
学習者は、次のように入力しました。
改善した質問
「乙4の物理・化学で密度の計算を勉強しています。質量と体積を使うことは分かりますが、計算式を忘れてしまいました。答えをすぐに教えず、式を思い出すためのヒントを一つください。」
🔴 学習者
「こういう質問でいいですか?」
🔵 講師
「いいですね。」
学習者はAIのヒントを読み、ノートに式を書こうとしました。
🔴 学習者
「あ、思い出しました。密度は質量を体積で割るんですね。」
🔵 講師
「そうです。では、計算してみてください。」
🔴 学習者
「240÷300だから……0.8ですね。」
🔵 講師
「単位は?」
🔴 学習者
「0.8g/cm³です。」
🔵 講師
「正解です。」
🔴 学習者
「答えを教えてもらわなくても解けました。」
🔵 講師
「そうですね。」
🔴 学習者
「でも先生、式を教えてもらったようなものですよね?」
🔵 講師
「ヒントの助けは借りています。ただ、そのあと自分で式を選び、計算し、単位まで確認しましたね。」
🔴 学習者
「確かに。」
🔵 講師
「では、今度は数値を変えて、AIを使わずに解いてみましょう。」
講師は次の問題を示しました。
確認問題
「ある液体の質量が180g、体積が200cm³のとき、密度は何g/cm³ですか?」
🔴 学習者
「180÷200だから、0.9g/cm³です。」
🔵 講師
「正解です。」
🔴 学習者
「今度はヒントなしで解けました。」
🔵 講師
「そこが重要です。」
🔴 学習者
「どういうことですか?」
🔵 講師
「ChatGPTに質問したあと、自分が何をできるようになったかということです。」
🔴 学習者
「ああ、なるほど。」
🔵 講師
「最初の問題で答えを教えてもらうだけだったら、次の問題を自力で解けたかどうかは分かりません。」
🔴 学習者
「でも今回は、自分で計算できました。」
🔵 講師
「そうです。質問が、答えを知るためだけのものではなく、考える力を取り戻すためのものになりましたね。」
🔴 学習者
「良い質問って、そういうことなんですね。」
🔵 講師
「それも一つの考え方です。」
🔴 学習者
「先生、もう一つ聞いていいですか?」
🔵 講師
「何でしょう?」
🔴 学習者
「問題を間違えたときも、質問の仕方を変えたほうがいいんですか?」
🔵 講師
「もちろんです。普段はどう質問していますか?」
🔴 学習者
「『なぜ間違えたの?』って聞いています。」
🔵 講師
「それだけですか?」
🔴 学習者
「はい。問題と答えを伝えて、理由を聞いています。」
🔵 講師
「では、あなたがなぜその答えを選んだのか、ChatGPTには伝わっていますか?」
🔴 学習者
「……言われてみると、伝えていません。」
🔵 講師
「そうすると、AIは一般的な解説はできても、あなたがどこで考え違いをしたのかまでは十分に分からないことがあります。」
🔴 学習者
「確かに、いつも正解の説明が返ってくるだけなんです。」
🔵 講師
「では、次は自分の考え方も伝えてみましょう。」
🔴 学習者
「例えば?」
🔵 講師
「『私はこの選択肢を選びました。理由はこう考えたからです。どこに誤解があるのか教えてください』という聞き方です。」
🔴 学習者
「ああ、それなら自分が間違えた原因を探せそうですね。」
🔵 講師
「そうです。」
🔴 学習者
「でも、自分がどう考えたかを文章にするのって、少し難しそうです。」
🔵 講師
「最初は難しいかもしれません。でも、それ自体が大切な勉強になります。」
🔴 学習者
「自分の考えを整理するからですか?」
🔵 講師
「そのとおりです。」
🔴 学習者
「なるほど……。今までは、ChatGPTに答えを出してもらうことばかり考えていました。」
🔵 講師
「今はどうですか?」
🔴 学習者
「質問するときに、自分が何を考えたのかも伝えたほうがいいと思います。」
🔵 講師
「いいですね。」
🔴 学習者
「ただ、まだ少し迷います。」
🔵 講師
「何に迷うんですか?」
🔴 学習者
「どんな質問なら、勉強に役立つ良い質問になるのかです。」
🔵 講師
「では、次は同じ問題について、三つの質問を比べてみましょう。」
🔴 学習者
「三つの質問ですか?」
🔵 講師
「はい。質問を変えると、何が変わるのかを実際に確かめてみましょう。」
🔴 学習者
「分かりました。やってみたいです。」
同じ問題でも、質問の仕方で学び方が変わる
🔵 講師
「では、次は同じ問題について、三つの質問を比べてみましょう。」
🔴 学習者
「三つの質問ですか?」
🔵 講師
「はい。質問を変えると、何が変わるのかを実際に確かめてみましょう。」
🔴 学習者
「分かりました。やってみたいです。」
講師は、学習者の前に一枚の紙を置きました。
そこには、乙4の物理・化学に関する簡単な問題が書かれていました。
練習問題
「液体の温度が上がると、一般に蒸気圧はどのように変化しますか?」
🔴 学習者
「蒸気圧ですか……。前にも勉強しましたけど、少し自信がありません。」
🔵 講師
「では、最初は普段どおりChatGPTに質問してみてください。」
🔴 学習者
「分かりました。」
学習者は次のように入力しました。
質問①
「この問題の答えを教えてください。」
ChatGPTから回答が返ってきました。
🔴 学習者
「温度が上がると、一般に蒸気圧は高くなるそうです。」
🔵 講師
「そうですね。では、なぜ高くなるのか説明できますか?」
🔴 学習者
「ええと……。温度が高くなるから、ですかね?」
🔵 講師
「それでは、理由の説明としては少し足りませんね。」
🔴 学習者
「そうですね。答えは分かったんですけど、理由までは理解できていません。」
🔵 講師
「では、二つ目の質問を試しましょう。」
質問②
「乙4の物理・化学を勉強しています。液体の温度が上がると、一般に蒸気圧が高くなる理由を、初心者にも分かる言葉で説明してください。」
学習者は回答を読み始めました。
🔴 学習者
「ああ、なるほど。温度が上がると、液体の分子の運動が活発になるんですね。」
🔵 講師
「そうですね。」
🔴 学習者
「それで、液体から気体になる分子が増えやすくなる。だから、平衡状態での蒸気圧も高くなるんですね。」
🔵 講師
「基本的な考え方をつかめましたね。」
🔴 学習者
「一つ目の質問より、ずっと勉強になった気がします。」
🔵 講師
「では、三つ目の質問です。」
🔴 学習者
「まだあるんですか?」
🔵 講師
「はい。今度は、説明を受けるだけではなく、自分で理解を確認する質問にしてみましょう。」
質問③
「乙4の物理・化学を勉強しています。温度と蒸気圧の関係について、基本的な説明は理解できました。自分で理由を説明できるか確認したいので、一問ずつ質問してください。私が答えるまで模範解答を表示せず、不足している部分があればヒントをください。」
🔴 学習者
「今度は、自分が答えるんですね。」
🔵 講師
「そうです。」
ChatGPTから、温度が上がると蒸気圧が高くなる理由を説明するよう求める質問が表示されました。
🔴 学習者
「ええと……。温度が上がると分子の運動が活発になって、液体から気体になる分子が増えやすくなるからです。」
🔵 講師
「いいですね。では、もう少し正確に説明できますか?」
🔴 学習者
「もう少し正確に、ですか?」
🔵 講師
「はい。蒸気圧を説明するときには、液体と蒸気が平衡になっている状態を考えることが大切です。」
🔴 学習者
「ああ、そうでした。液体から蒸発する分子と、蒸気から液体に戻る分子がつり合っている状態ですね。」
🔵 講師
「そうです。温度が変わると、その平衡状態での蒸気圧も変わります。」
🔴 学習者
「なるほど。最初の説明では、そこまで考えていませんでした。」
🔵 講師
「では、今の内容を参考書でも確認してみましょう。」
学習者は参考書を開き、蒸気圧についての説明を読み直しました。
🔴 学習者
「書いてありますね。今度は意味が分かります。」
🔵 講師
「では、三つの質問を比べてみて、どう思いましたか?」
🔴 学習者
「一つ目は、答えを知るための質問でした。」
🔵 講師
「はい。」
🔴 学習者
「二つ目は、理由を理解するための質問です。」
🔵 講師
「そうですね。」
🔴 学習者
「三つ目は、自分が理解できているか確認するための質問でした。」
🔵 講師
「そのとおりです。」
🔴 学習者
「同じ問題なのに、質問の仕方で勉強の内容が変わるんですね。」
🔵 講師
「そうです。では、どの質問が一番良いと思いますか?」
🔴 学習者
「三つ目でしょうか?」
🔵 講師
「なぜそう思います?」
🔴 学習者
「自分で考えて答えるからです。」
🔵 講師
「それも大切ですね。ただ、三つ目がいつでも一番良いとは限りませんよ。」
🔴 学習者
「えっ、そうなんですか?」
🔵 講師
「例えば、最初から答えを知らない場合と、理由を理解したい場合と、理解度を確認したい場合では、必要な質問が違います。」
🔴 学習者
「ああ、なるほど。」
🔵 講師
「一つ目の質問も、答え合わせをしたいときには役立ちます。」
🔴 学習者
「つまり、質問そのものに絶対的な良し悪しがあるわけではないんですね。」
🔵 講師
「そうです。今の学習目的に合っているかどうかが重要なんです。」
🔴 学習者
「ようやく分かってきました。」
🔵 講師
「では、今度はあなた自身で質問を改善してみましょう。」
🔴 学習者
「自分でですか?」
🔵 講師
「はい。例えば、問題集で間違えたとき、今までは何と質問していましたか?」
🔴 学習者
「『なぜ間違えたの?』です。」
🔵 講師
「では、その質問を改善してください。」
学習者は少し考えました。
🔴 学習者
「まず、自分が何を勉強しているのかを伝えます。」
🔵 講師
「はい。」
🔴 学習者
「それから、どの答えを選んだのかと、なぜそう考えたのかを伝えます。」
🔵 講師
「いいですね。」
🔴 学習者
「最後に、どこを間違えたのか説明してもらいます。」
🔵 講師
「では、文章にしてみてください。」
学習者はノートに書き始めました。
改善した質問
「乙4の物理・化学の問題を間違えました。私は選択肢2を選びましたが、問題集では選択肢3が正解でした。選択肢2を選んだ理由は、○○だと考えたからです。私の考え方のどこに誤解があるのか、順番に整理する手伝いをしてください。すぐに結論を出すのではなく、まず確認すべきポイントを質問してください。」
🔴 学習者
「こんな感じでしょうか?」
🔵 講師
「いいですね。以前の質問と比べて、何が変わりましたか?」
🔴 学習者
「自分の考え方を伝えるようになりました。」
🔵 講師
「それによって、どんな効果が期待できますか?」
🔴 学習者
「単に正解の説明を読むだけじゃなくて、自分がどこで間違えたのかを考えられます。」
🔵 講師
「そうですね。」
🔴 学習者
「それに、質問を考えている途中で、自分がなぜその答えを選んだのか整理できます。」
🔵 講師
「そこが大切です。」
🔴 学習者
「質問を作ること自体が勉強になるんですね。」
🔵 講師
「そのとおりです。」
🔴 学習者
「今まで、質問はAIから答えをもらうためのものだと思っていました。」
🔵 講師
「今はどうですか?」
🔴 学習者
「質問は、自分の考えを整理するためにも使えると思います。」
🔵 講師
「いい考え方ですね。」
🔴 学習者
「でも先生、これだけ詳しく質問しても、ChatGPTが間違えることはありますよね?」
🔵 講師
「もちろんあります。」
🔴 学習者
「じゃあ、良い質問をすれば必ず正しい答えが返ってくる、というわけではないんですね。」
🔵 講師
「そうです。質問の質を高めることと、回答の正確さを保証することは別です。」
🔴 学習者
「分かりました。AIの説明を参考にしながら、重要な内容は参考書や公式情報で確認します。」
🔵 講師
「それが大切です。」
良い質問とは、自分の学習を前に進める質問
それから数日後、学習者は以前とは少し違う方法でChatGPTを使うようになっていました。
参考書を読み、分からない部分を確認します。
そして、ChatGPTに質問する前に、ノートに短い言葉を書きます。
「今、自分は何をできるようになりたいのか?」
ある日は、専門用語の意味を理解すること。
別の日は、計算問題を自分で解けるようになること。
また別の日は、間違えた問題の原因を整理すること。
目的によって、質問の仕方を変えるようになりました。
🔴 学習者
「先生、最近、ChatGPTへの質問が少し変わりました。」
🔵 講師
「どんなふうに変わりましたか?」
🔴 学習者
「前は、分からないことがあったら、とにかく答えを聞いていました。」
🔵 講師
「そうでしたね。」
🔴 学習者
「でも今は、質問する前に、自分が何をしたいのか考えるようにしています。」
🔵 講師
「例えば?」
🔴 学習者
「知らない言葉なら、意味を説明してもらいます。」
🔵 講師
「はい。」
🔴 学習者
「意味は分かるけど問題を解けないなら、見分け方や考え方を質問します。」
🔵 講師
「そうですね。」
🔴 学習者
「問題を間違えたときは、自分がどう考えたのかを伝えて、間違いの原因を整理してもらいます。」
🔵 講師
「いいですね。」
🔴 学習者
「それから、理解できたと思ったら、AIに確認問題を出してもらうこともあります。」
🔵 講師
「使い方が広がりましたね。」
🔴 学習者
「はい。でも、一つ気づいたことがあります。」
🔵 講師
「何でしょう?」
🔴 学習者
「質問が上手になったからといって、勉強が全部楽になるわけじゃないんですね。」
🔵 講師
「どういうことですか?」
🔴 学習者
「むしろ、自分で考える時間が増えました。」
🔵 講師
「それは悪いことだと思いますか?」
🔴 学習者
「最初は、少し面倒だと思いました。」
🔵 講師
「そうでしょうね。」
🔴 学習者
「でも、今は違います。」
🔵 講師
「なぜですか?」
🔴 学習者
「問題集を解いていて、前より自分で答えを出せることが増えてきたからです。」
🔵 講師
「それはうれしいですね。」
🔴 学習者
「以前は、ChatGPTの説明を読んで『分かった』と思っていました。」
🔵 講師
「はい。」
🔴 学習者
「でも、実際に問題を解くと間違えることが多かったんです。」
🔵 講師
「そうでしたね。」
🔴 学習者
「今は、説明を読んだあとに、自分で答えを出せるか確認するようになりました。」
🔵 講師
「それが学習につながっているんですね。」
🔴 学習者
「はい。もちろん、まだ苦手な問題もあります。でも、どこが分からないのかは前よりはっきりするようになりました。」
🔵 講師
「それは大きな進歩です。」
🔴 学習者
「先生、良い質問と悪い質問の違いって、最初は文章の上手さのことだと思っていました。」
🔵 講師
「今はどう思いますか?」
🔴 学習者
「良い質問は、自分の勉強に役立つ質問だと思います。」
🔵 講師
「もう少し具体的に言うと?」
🔴 学習者
「例えば、分からないところが分かるようになる質問です。」
🔵 講師
「はい。」
🔴 学習者
「それから、自分が間違えた理由を考えられる質問。」
🔵 講師
「そうですね。」
🔴 学習者
「そして、最後に自分で問題を解けるようになる質問です。」
🔵 講師
「いいですね。」
🔴 学習者
「逆に、今の自分に必要のない説明を何度も聞いたり、答えだけを教えてもらって終わったりする質問は、あまり勉強につながらないことがあるんですね。」
🔵 講師
「そのとおりです。ただし、答えだけを確認したい場面もありますから、質問の良し悪しは目的によって変わります。」
🔴 学習者
「そうですね。絶対に悪い質問というわけではないんですね。」
🔵 講師
「はい。」
🔴 学習者
「それなら、質問することにあまり構えなくてもよさそうです。」
🔵 講師
「どうしてですか?」
🔴 学習者
「最初から完璧な質問を作らなくても、回答を見ながら改善すればいいからです。」
🔵 講師
「そうですね。」
🔴 学習者
「短い質問でも、目的に合っていればいい。うまく伝わらなければ、もう少し具体的にすればいい。」
🔵 講師
「その考え方で十分です。」
🔴 学習者
「なんだか、ChatGPTを使うのが前より気楽になりました。」
🔵 講師
「それはよかったですね。」
🔴 学習者
「でも、ただ楽をするために使うんじゃなくて、自分ができることを増やすために使いたいです。」
🔵 講師
「それが大切ですね。」
その日の学習を終える前に、学習者はノートの最後に三つの言葉を書きました。
「答えを知りたいのか」
「理由を理解したいのか」
「自分で解けるようになりたいのか」
そして、その下にもう一つ書き加えました。
「質問する前に、目的を決める。」
ChatGPTへの質問には、さまざまな形があります。
短い質問もあれば、詳しい質問もあります。
答えを求める質問もあれば、ヒントを求める質問もあります。
どれが良い質問になるかは、そのときの学習目的によって変わります。
大切なのは、質問の文章を長くすることでも、難しい言葉を使うことでもありません。
その質問によって、自分が何を理解し、何をできるようになりたいのかを明確にすることです。
分からないことを知る。
理由を理解する。
自分で考える。
間違いの原因を見つける。
そして、問題を解けるようになる。
こうした学習の流れを意識して質問できるようになれば、ChatGPTの活用方法は大きく変わります。
もちろん、AIの回答が常に正しいわけではありません。
重要な知識は、参考書や公式情報で確認する必要があります。
そのうえで、自分の学習目的に合った質問を選び、回答を受け取ったあとも考えることをやめない。
それが、資格勉強でChatGPTを効果的に活用するための基本です。
良い質問とは、AIから良い答えをもらうためだけのものではありません。
自分自身が、昨日より一つでも多くのことを理解し、できるようになるための質問なのです。
理論編はこちらから
⑤良い質問と悪い質問の違い(理論編)
はじめに ChatGPTを資格勉強に活用するとき、同じ内容について質問しているのに、回答の分かりやすさが大きく変わることがあります。 たとえば、危険物取扱者乙種第4類(乙4)の勉強で、引火点と発火点の違いが分からなかった […]
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