はじめに
仕事と試験勉強の両立・・・よく聞かれる質問です。
仕事が・・・。
ま、そうなりますよね。
みんなはどうしてるんですか?
じゃあちょっと検討してみましょう♪
はじめに

「資格を取りたい気持ちはあるんです。でも、本当に時間がないんです。」
社会人の資格勉強では、この悩みがよく出てきます。
朝起きて仕事へ行く。
一日働く。
残業する日もある。
帰宅すれば、夕食や家事が待っている。
家族との時間も必要です。
そして、ようやく自分の時間になったころには疲れている。
「よし、今から一時間勉強しよう」
と思っても、参考書を数ページ読んだところで眠くなってしまう。
休日にまとめて勉強しようと思っていても、買い物や用事が入る。
気づけば一週間が終わっている。
こうした状態が続くと、
「社会人になってから資格を取るのは難しい」
「もっと時間に余裕ができてから始めよう」
と思うかもしれません。
しかし、社会人の生活から仕事や家事をなくすことはできません。
だから必要なのは、勉強のために生活を大きく変えることではなく、
今の生活の中でも勉強できる仕組みを作ること
です。
今回は、仕事をしながら乙四の勉強を始めたものの、思うように時間を確保できない学習者と講師の会話から、社会人が資格勉強を続ける方法を具体的に考えていきます。
「一日一時間」ができないから、勉強できていないと思っていた
ある日の夜。
仕事を終えた学習者は、少し疲れた表情で教室へやってきました。
机の上には乙四の参考書があります。
しかし、前回からページはそれほど進んでいません。
🔵 講師
「仕事帰りですか?」
🔴 学習者
「はい。今日は少し残業でした。」
🔵 講師
「お疲れさまでした。勉強の方はどうですか?」
🔴 学習者
「それが……全然できていません。」
🔵 講師
「全然というと?」
🔴 学習者
「今週、ちゃんと勉強できたのは一日くらいです。」
🔵 講師
「『ちゃんと勉強した』というのは、何分くらいですか?」
🔴 学習者
「一時間です。」
🔵 講師
「では、一時間できなかった日は?」
🔴 学習者
「勉強できなかった日にしています。」
🔵 講師
「少しでも問題を解いた日はありませんでした?」
🔴 学習者
「あります。」
🔵 講師
「例えば?」
🔴 学習者
「昼休みに過去問を5問やった日とか。」
🔵 講師
「ほかには?」
🔴 学習者
「寝る前に法令の数字を10分くらい見た日があります。」
🔵 講師
「ほかには?」
🔴 学習者
「通勤中にスマホで一問一答をやった日もあります。」
🔵 講師
「それは勉強ではないんですか?」
🔴 学習者
「勉強ではあるんですけど……。」
🔵 講師
「けど?」
🔴 学習者
「自分の中では、一時間くらい机に向かわないと『勉強した』感じがしなくて。」
🔵 講師
「なるほど。」
講師はノートを一冊取り出しました。
🔵 講師
「では、今週やったことを書いてみましょう。」
🔴 学習者
「はい。」
🔵 講師
「月曜日は?」
🔴 学習者
「残業で何もできませんでした。」
講師は、
月曜日 0分
と書きました。
🔵 講師
「火曜日は?」
🔴 学習者
「昼休みに過去問を5問。たぶん10分くらいです。」
火曜日 10分
🔵 講師
「水曜日は?」
🔴 学習者
「家に帰って一時間やりました。」
水曜日 60分
🔵 講師
「木曜日は?」
🔴 学習者
「通勤中に一問一答をやりました。15分くらい。」
木曜日 15分
🔵 講師
「金曜日は?」
🔴 学習者
「寝る前に法令を10分です。」
金曜日 10分
🔵 講師
「合計すると?」
🔴 学習者
「95分ですね。」
🔵 講師
「一時間半以上勉強しています。」
🔴 学習者
「でも、自分では一日しか勉強していないと思っていました。」
🔵 講師
「なぜでしょう。」
🔴 学習者
「一時間できなかった日は数えていなかったからですね。」
🔵 講師
「社会人の資格勉強では、その考え方を少し変えた方がいいかもしれません。」
🔴 学習者
「どう変えるんですか?」
🔵 講師
「『一時間あるか』ではなく、『今日は何分使えるか』と考えます。」
🔴 学習者
「10分でも?」
🔵 講師
「もちろんです。」
🔴 学習者
「5分でも?」
🔵 講師
「5分でできる勉強を用意しておけばいいんです。」
🔴 学習者
「5分で何ができます?」
🔵 講師
「昨日間違えた問題を一問解き直す。」
🔴 学習者
「それならできます。」
🔵 講師
「法令の数字を確認する。」
🔴 学習者
「できます。」
🔵 講師
「危険物の性質を三つ確認する。」
🔴 学習者
「できますね。」
🔵 講師
「一問一答を数問。」
🔴 学習者
「それもできます。」
🔵 講師
「では15分あったら?」
🔴 学習者
「過去問を5問とか10問。」
🔵 講師
「30分なら?」
🔴 学習者
「過去問を解いて、間違い直しまでできそうです。」
🔵 講師
「一時間なら?」
🔴 学習者
「新しい範囲をやって、問題まで解けます。」
講師はノートに書きました。
5分:間違い1問・暗記確認
15分:過去問5〜10問
30分:問題演習+間違い直し
60分:新しい範囲+問題演習
🔴 学習者
「時間ごとにメニューを作っておくんですね。」
🔵 講師
「そうです。」
🔴 学習者
「今日は30分取れないからやめよう、ではなく?」
🔵 講師
「今日は10分だから、10分用の勉強をする。」
🔴 学習者
「それなら平日でも結構できそうです。」
🔵 講師
「社会人の場合、まとまった時間が突然増えるのを待っていると、なかなか勉強が進みません。」
🔴 学習者
「確かに。」
🔵 講師
「だから、今ある時間を使います。」
🔴 学習者
「でも先生、仕事のあとって本当に疲れているんです。」
🔵 講師
「そこも考えましょう。」
🔴 学習者
「時間があっても頭が動かない日があります。」
🔵 講師
「そういう日に、何を勉強しています?」
🔴 学習者
「苦手な物理・化学をやろうとします。」
🔵 講師
「なぜですか?」
🔴 学習者
「苦手だから、やらないといけないと思って。」
🔵 講師
「疲れ切った夜に?」
🔴 学習者
「はい。」
🔵 講師
「それは続きますか?」
🔴 学習者
「続きません。」
🔵 講師
「では、時間だけでなく『頭の元気さ』も考えましょう。」
🔴 学習者
「頭の元気さ?」
🔵 講師
「勉強を『重いもの』と『軽いもの』に分けます。」
🔴 学習者
「重い勉強って?」
🔵 講師
「例えば、初めて学ぶ内容。」
🔴 学習者
「はい。」
🔵 講師
「苦手な計算問題。」
🔴 学習者
「それは重いです。」
🔵 講師
「本番形式の問題。」
🔴 学習者
「集中力が必要ですね。」
🔵 講師
「間違いの原因をじっくり分析することも、比較的重いでしょう。」
🔴 学習者
「軽い勉強は?」
🔵 講師
「一度覚えた内容の確認。」
🔴 学習者
「はい。」
🔵 講師
「一問一答。」
🔴 学習者
「はい。」
🔵 講師
「以前間違えた問題の見直し。」
🔴 学習者
「それなら疲れていてもできそうです。」
🔵 講師
「暗記事項のチェックもできますね。」
学習者はノートへ、
重い勉強
軽い勉強
と二つの欄を作りました。
🔴 学習者
「物理・化学の新しい計算問題は重い方。」
🔵 講師
「そうですね。」
🔴 学習者
「法令の数字を確認するのは軽い方。」
🔵 講師
「いいでしょう。」
🔴 学習者
「過去問を本番形式でまとめて解くのは重い。」
🔵 講師
「はい。」
🔴 学習者
「昨日の間違いを3問だけ見直すなら軽い。」
🔴 学習者
「これ、結構重要ですね。」
🔵 講師
「なぜですか?」
🔴 学習者
「今までは、疲れている日に一番苦手なことをやろうとしていました。」
🔵 講師
「そして?」
🔴 学習者
「嫌になって何もしない。」
🔵 講師
「これからは?」
🔴 学習者
「疲れている日は軽い勉強へ切り替えます。」
平日は「つなぐ」、休日は「進める」と考える
🔵 講師
「では、普段の一週間を教えてください。」
🔴 学習者
「月曜から金曜まで仕事です。」
🔵 講師
「残業は?」
🔴 学習者
「日によります。水曜日と金曜日は遅くなることが多いです。」
🔵 講師
「土日は?」
🔴 学習者
「どちらかは比較的時間があります。でも、買い物とか家のこともあります。」
🔵 講師
「では、毎日一時間という計画は現実的でしょうか?」
🔴 学習者
「難しいです。」
🔵 講師
「一週間の役割を分けてみましょう。」
🔴 学習者
「役割?」
🔵 講師
「平日は『つなぐ』。」
🔴 学習者
「つなぐ?」
🔵 講師
「休日は『進める』。」
🔴 学習者
「どういう意味ですか?」
🔵 講師
「平日は、勉強を大きく進めなくてもいいんです。」
🔴 学習者
「いいんですか?」
🔵 講師
「忘れないように触れる。過去問を少し解く。前日の復習をする。それでも役割は果たしています。」
🔴 学習者
「平日に全部やろうとしない。」
🔵 講師
「そうです。」
🔴 学習者
「休日は?」
🔵 講師
「比較的時間が取れる日に、重い勉強を置きます。」
🔴 学習者
「物理・化学の計算とか?」
🔵 講師
「そうですね。」
🔴 学習者
「新しい単元も?」
🔵 講師
「いいでしょう。」
🔴 学習者
「本番形式の過去問も?」
🔵 講師
「まとまった時間があるなら向いています。」
🔴 学習者
「じゃあ、平日に物理・化学をやらなくてもいい?」
🔵 講師
「まったく触れない必要はありません。」
🔴 学習者
「どうするんですか?」
🔵 講師
「休日に解いた問題の復習だけ平日にやる。」
🔴 学習者
「ああ、それならできます。」
🔵 講師
「例えば日曜日に物理・化学を60分勉強する。」
🔴 学習者
「はい。」
🔵 講師
「月曜日に、その中で間違えた3問を10分確認する。」
🔴 学習者
「はい。」
🔵 講師
「火曜日に類題を数問。」
🔴 学習者
「なるほど。」
🔵 講師
「休日の勉強を、平日の短時間学習につなげるんです。」
🔴 学習者
「そうすると、一回勉強して終わりにならないですね。」
🔵 講師
「復習も自然に入ります。」
学習者は一週間の予定を書いてみました。
月曜日:15分 休日に間違えた問題の復習
火曜日:20分 法令の過去問
水曜日:5〜10分 一問一答
木曜日:20分 物理・化学の類題
金曜日:5〜10分 暗記確認
土曜日:予備または休み
日曜日:60〜90分 新しい範囲+過去問
🔴 学習者
「今までの計画より、かなり少ないですね。」
🔵 講師
「少なすぎますか?」
🔴 学習者
「いや……たぶん、こっちの方が実際にはできます。」
🔵 講師
「実行できない5時間の計画と、実行できる3時間の計画なら?」
🔴 学習者
「3時間の方がいいですね。」
🔵 講師
「そして余裕があれば増やせばいい。」
🔴 学習者
「最初から限界まで予定を入れないんですね。」
🔵 講師
「土曜日を空けたのはなぜだと思います?」
🔴 学習者
「予備日ですか?」
🔵 講師
「そうです。」
🔴 学習者
「平日にできなかったものを移す?」
🔵 講師
「必要なら移します。」
🔴 学習者
「例えば水曜日に残業で何もできなかったら?」
🔵 講師
「水曜日の10分を必ず土曜日へ移す必要はありません。」
🔴 学習者
「え?」
🔵 講師
「その内容が必要なら移します。そうでなければ、そのまま次へ進んでもいい。」
🔴 学習者
「全部取り戻さなくていいんですね。」
🔵 講師
「勉強時間を借金にしないことです。」
🔴 学習者
「自分、まさにそれをやっていました。」
🔵 講師
「どんな感じでした?」
🔴 学習者
「月曜日30分できなかった。」
🔵 講師
「はい。」
🔴 学習者
「火曜日に60分やろうとする。」
🔵 講師
「はい。」
🔴 学習者
「火曜日もできない。」
🔵 講師
「すると?」
🔴 学習者
「水曜日に90分必要な気がする。」
🔵 講師
「そして?」
🔴 学習者
「もう無理だ、となります。」
🔵 講師
「それでは、勉強時間の借金が増える一方ですね。」
🔴 学習者
「確かに。」
🔵 講師
「できなかった日は、一度そこで区切ります。」
🔴 学習者
「必要な内容だけ別の日に移す。」
🔵 講師
「そうです。」
🔴 学習者
「毎日の時間じゃなくて、一週間で考えてもいいですか?」
🔵 講師
「むしろ社会人には、その方が合う場合があります。」
🔴 学習者
「例えば一週間3時間?」
🔵 講師
「はい。」
🔴 学習者
「月曜日10分でも、日曜日に60分できれば調整できる。」
🔵 講師
「そういう考え方です。」
🔴 学習者
「なんか、かなり気持ちが楽になりますね。」
🔵 講師
「なぜですか?」
🔴 学習者
「一日できなかっただけで、『今週は失敗』と思わなくていいからです。」
🔵 講師
「一週間という少し広い範囲で調整できます。」
🔴 学習者
「でも、毎週予定を考えるのが少し面倒ですね。」
🔵 講師
「そこはAIを使ってもいいでしょう。」
🔴 学習者
「ChatGPTですか?」
🔵 講師
「例えば日曜日に、次の一週間の予定を簡単に伝えます。」
🔴 学習者
「どんな感じです?」
🔵 講師
「『来週は水曜と金曜が残業予定です。月・火・木は20分、土曜は30分、日曜は90分使えます。物理・化学が苦手です。一週間の乙四学習を組んでください』といった形です。」
🔴 学習者
「それなら毎週作れますね。」
🔵 講師
「さらに今週の結果も伝えます。」
🔴 学習者
「例えば?」
🔵 講師
「『法令は75%、物理・化学は55%、性質・消火は80%でした』。」
🔴 学習者
「すると、物理・化学を少し多くしてもらう。」
🔵 講師
「そうですね。」
🔴 学習者
「でも、AIが『水曜日30分』って出してきても、その日は残業なんですよね。」
🔵 講師
「だから自分で直します。」
🔴 学習者
「AIの計画に自分を合わせるんじゃない。」
🔵 講師
「自分の生活にAIの計画を合わせます。」
🔴 学習者
「それなら使いやすそうです。」
🔵 講師
「社会人の勉強計画で重要なのは、理想的な一週間を作ることではありません。」
🔴 学習者
「実際の一週間でできる計画を作る。」
🔵 講師
「そうです。」
学習者は、自分の仕事の予定と学習計画を見比べました。
以前の計画には、
毎日60分
とだけ書かれていました。
しかし、新しい計画は違います。
忙しい日は5分。
普通の日は20分。
余裕のある日は30分。
休日は60〜90分。
そして、予定が崩れたときのために予備日があります。
🔴 学習者
「今まで、自分は『勉強する時間を作らないと』とばかり考えていました。」
🔵 講師
「今は?」
🔴 学習者
「今ある時間に、できる勉強を当てはめればいいと思っています。」
🔵 講師
「その方が現実的ですね。」
🔴 学習者
「仕事が忙しい日は、勉強できない日じゃない。」
🔵 講師
「では?」
🔴 学習者
「短い勉強をする日です。」
🔵 講師
「疲れている日は?」
🔴 学習者
「軽い勉強をする日。」
🔵 講師
「休日は?」
🔴 学習者
「重い勉強を進める日。」
🔵 講師
「予定が崩れたら?」
🔴 学習者
「全部取り戻そうとせず、一週間の中で調整します。」
学習者はノートの一番下に、大きく一行書きました。
「時間ができたら勉強する」ではなく、「今ある時間でできる勉強をする」
🔴 学習者
「まず、この形で一週間やってみます。」
🔵 講師
「毎日完璧にできたかではなく、一週間でどれだけ前へ進めたかを見てみましょう。」
🔴 学習者
「はい。仕事のある生活を無理に変えるのではなく、その中に勉強を入れてみます。」
忙しい一週間で、計画が崩れたときにどうするか
一週間後。
学習者はノートを持って教室へやってきました。
前回作った一週間の予定表には、○印、△印、そして何も書かれていない日があります。
🔵 講師
「一週間やってみて、どうでした?」
🔴 学習者
「先生、最初に言っていいですか?」
🔵 講師
「もちろんです。」
🔴 学習者
「予定どおりには全然いきませんでした。」
🔵 講師
「そうですか。」
🔴 学習者
「やっぱり社会人が計画どおり勉強するのって難しいですね。」
🔵 講師
「では、一つずつ見てみましょう。」
🔴 学習者
「はい。」
🔵 講師
「月曜日は?」
🔴 学習者
「予定では15分でした。」
🔵 講師
「実際は?」
🔴 学習者
「20分できました。」
🔵 講師
「火曜日は?」
🔴 学習者
「予定どおり20分です。」
🔵 講師
「水曜日は?」
🔴 学習者
「残業でゼロです。」
🔵 講師
「木曜日は?」
🔴 学習者
「30分できました。」
🔵 講師
「金曜日は?」
🔴 学習者
「5分だけです。」
🔵 講師
「土曜日は?」
🔴 学習者
「予定が入ってゼロでした。」
🔵 講師
「日曜日は?」
🔴 学習者
「90分です。」
🔵 講師
「合計してみましょう。」
学習者は計算しました。
🔴 学習者
「165分です。」
🔵 講師
「2時間45分ですね。」
🔴 学習者
「あ……。」
🔵 講師
「前回、一週間3時間くらいを目安にしていましたね。」
🔴 学習者
「あと15分ですね。」
🔵 講師
「予定どおりではなかった。でも、一週間全体ではかなり近いところまでできています。」
🔴 学習者
「自分では、今週は失敗したと思っていました。」
🔵 講師
「なぜですか?」
🔴 学習者
「水曜日と土曜日がゼロだったからです。」
🔵 講師
「二日できなかったことだけを見ていた?」
🔴 学習者
「はい。」
🔵 講師
「でも残りの五日は?」
🔴 学習者
「勉強しています。」
🔵 講師
「社会人の勉強では、毎日だけを見て評価すると厳しくなりすぎることがあります。」
🔴 学習者
「一週間で見るんですね。」
🔵 講師
「そうです。」
🔴 学習者
「でも、水曜日に予定していた一問一答はできませんでした。」
🔵 講師
「それで困りました?」
🔴 学習者
「いや……木曜日に少しやりました。」
🔵 講師
「では問題ありませんね。」
🔴 学習者
「土曜日に予定していた復習はできませんでした。」
🔵 講師
「日曜日は何をしました?」
🔴 学習者
「最初の20分で復習しました。」
🔵 講師
「なら、こちらも調整できています。」
🔴 学習者
「計画って、予定した日に必ずやるものだと思っていました。」
🔵 講師
「仕事の予定は毎週変わりますからね。」
🔴 学習者
「残業なんて急に入ります。」
🔵 講師
「家の予定が変わることもあります。」
🔴 学習者
「あります。」
🔵 講師
「なら、資格勉強だけ毎日完全に予定どおり進めようとする方が難しいでしょう。」
🔴 学習者
「確かに。」
🔵 講師
「重要なのは、予定が崩れたときに勉強そのものをやめないことです。」
🔴 学習者
「その週の中で調整する。」
🔵 講師
「はい。」
🔴 学習者
「先生、金曜日の5分も結構良かったです。」
🔵 講師
「何をしました?」
🔴 学習者
「法令の数字だけ確認しました。」
🔵 講師
「疲れていました?」
🔴 学習者
「かなり。」
🔵 講師
「以前なら?」
🔴 学習者
「『今日は無理』でゼロだったと思います。」
🔵 講師
「今回は?」
🔴 学習者
「5分用のメニューがあったので、それだけやりました。」
🔴 学習者
「5分やって何が変わるんだろうと思っていましたけど、翌日になっても勉強から離れた感じがしなかったです。」
🔵 講師
「それも短時間学習の役割ですね。」
🔴 学習者
「大量に進めるためじゃなくて、勉強とのつながりを切らさない。」
🔵 講師
「そうです。」
講師は学習記録を見ながら尋ねました。
🔵 講師
「ところで、今週一番集中できたのはいつですか?」
🔴 学習者
「日曜日の午前中です。」
🔵 講師
「何をしました?」
🔴 学習者
「物理・化学です。」
🔵 講師
「苦手分野ですね。」
🔴 学習者
「はい。でも、平日の夜にやるよりかなり進みました。」
🔵 講師
「同じ30分でも違いますか?」
🔴 学習者
「全然違います。」
🔵 講師
「平日の夜は?」
🔴 学習者
「問題文を何度も読み直します。」
🔵 講師
「日曜の午前中は?」
🔴 学習者
「頭が動くので、計算も理解しやすかったです。」
🔵 講師
「では、時間の長さだけでなく、時間の質も考えられますね。」
🔴 学習者
「集中できる時間を難しい勉強に使う。」
🔵 講師
「そうです。」
🔴 学習者
「疲れている時間は復習とか暗記。」
🔵 講師
「それなら、同じ一週間でも効率が変わります。」
🔴 学習者
「今までは全部夜にやろうとしていました。」
🔵 講師
「仕事が終わって、一番疲れている時間ですね。」
🔴 学習者
「はい。それで物理・化学が全然進まなくて、自分は理解力がないと思っていました。」
🔵 講師
「でも休日の午前中なら?」
🔴 学習者
「普通に分かる問題もありました。」
🔵 講師
「能力だけではなく、勉強するタイミングの問題もあったわけですね。」
🔴 学習者
「これから物理・化学は休日中心にします。」
🔵 講師
「平日は?」
🔴 学習者
「休日に間違えた問題を少し復習します。」
🔵 講師
「いい組み合わせですね。」
さらに二週間が過ぎました。
学習者は同じ方法を続けていました。
しかし、その週は仕事が特に忙しく、残業が三日続きました。
🔴 学習者
「先生、今週はさすがに厳しかったです。」
🔵 講師
「どのくらいできました?」
🔴 学習者
「平日はほとんど5分か10分です。」
🔵 講師
「休日は?」
🔴 学習者
「日曜日に60分です。」
🔵 講師
「では、勉強そのものは止まっていませんね。」
🔴 学習者
「はい。でも予定よりかなり少ないです。」
🔵 講師
「試験までは?」
🔴 学習者
「あと5週間です。」
🔵 講師
「では、ここで計画を修正しましょう。」
🔴 学習者
「勉強時間を増やしますか?」
🔵 講師
「増やせますか?」
🔴 学習者
「正直、今の仕事の状況だと難しいです。」
🔵 講師
「なら、増やす前提で計画してはいけません。」
🔴 学習者
「じゃあどうします?」
🔵 講師
「限られた時間の中で、優先順位を変えます。」
🔴 学習者
「何を減らしますか?」
🔵 講師
「現在の過去問結果を見ましょう。」
学習者は記録を確認しました。
🔴 学習者
「法令は75%くらい。」
🔵 講師
「はい。」
🔴 学習者
「物理・化学は60%くらい。」
🔵 講師
「はい。」
🔴 学習者
「性質・消火は80%くらいです。」
🔵 講師
「なら、全部を同じ時間やる必要がありますか?」
🔴 学習者
「ないですね。」
🔵 講師
「今まで性質・消火の参考書を週に30分読んでいましたね。」
🔴 学習者
「はい。」
🔵 講師
「そこを過去問による確認中心にして短くしましょう。」
🔴 学習者
「余った時間を物理・化学へ?」
🔵 講師
「そうです。」
🔴 学習者
「法令は?」
🔵 講師
「間違いやすい数字を中心に。」
🔴 学習者
「勉強時間が減ったら、内容を絞るんですね。」
🔵 講師
「時間が減ったのに、同じ量をやろうとするとどうなります?」
🔴 学習者
「全部中途半端になります。」
🔵 講師
「あるいは無理な計画になって、続かなくなります。」
🔴 学習者
「社会人の勉強って、時間を作ることばかり考えていました。」
🔵 講師
「もちろん時間確保も大切です。」
🔴 学習者
「でも、時間が増やせないなら、使い方を変える。」
🔵 講師
「そこが重要です。」
🔴 学習者
「ChatGPTにも相談してみました。」
🔵 講師
「何と聞きました?」
🔴 学習者
「『仕事が忙しくなり、平日は10分程度しか取れません。休日は60分です。試験まで5週間で、法令75%、物理・化学60%、性質・消火80%です。優先順位をつけてください』と。」
🔵 講師
「どうでした?」
🔴 学習者
「やっぱり物理・化学を多めにする案が出ました。」
🔵 講師
「そのまま使いました?」
🔴 学習者
「少し変えました。」
🔵 講師
「なぜ?」
🔴 学習者
「平日の夜に計算問題を入れていたので。」
🔵 講師
「今までの経験では?」
🔴 学習者
「夜の計算問題は効率が悪いです。」
🔵 講師
「それでどう変更しました?」
🔴 学習者
「平日は法令と復習。休日に物理・化学です。」
🔵 講師
「AIの案と、自分の生活データを組み合わせたんですね。」
🔴 学習者
「はい。」
社会人の資格勉強は「時間がある人のやり方」を真似しなくていい
試験まで残り三週間。
仕事の忙しさは、完全には落ち着いていませんでした。
それでも学習者の勉強は続いていました。
ある月曜日は15分。
火曜日は20分。
水曜日は残業で5分。
木曜日は25分。
金曜日は完全に休み。
土曜日は30分。
日曜日は90分。
以前の学習者なら、
「毎日一時間できていない」
という理由で、この一週間を失敗と考えていたでしょう。
しかし今は違います。
🔵 講師
「今週はどうでした?」
🔴 学習者
「悪くなかったと思います。」
🔵 講師
「金曜日はゼロですよ。」
🔴 学習者
「はい。でも土日に戻れました。」
🔵 講師
「水曜日は5分だけ。」
🔴 学習者
「法令の数字を確認しました。」
🔵 講師
「それで十分?」
🔴 学習者
「その日の役割としては十分です。」
🔵 講師
「考え方が変わりましたね。」
🔴 学習者
「かなり変わりました。」
🔵 講師
「最初は?」
🔴 学習者
「一日一時間できなければ、勉強したことにならないと思っていました。」
🔵 講師
「今は?」
🔴 学習者
「5分の日にも役割があると思っています。」
🔴 学習者
「もちろん、一日5分だけをずっと続けて合格できるとは思っていません。」
🔵 講師
「そこは大切ですね。」
🔴 学習者
「時間が取れる日はしっかりやります。」
🔵 講師
「取れない日は?」
🔴 学習者
「ゼロにするより、できることをやります。」
🔵 講師
「では、社会人が勉強を続けるために必要なものを整理してみましょう。」
🔴 学習者
「はい。」
🔵 講師
「まず?」
🔴 学習者
「時間別のメニューです。」
🔵 講師
「例えば?」
🔴 学習者
「5分なら暗記や間違い確認。」
🔵 講師
「15分なら?」
🔴 学習者
「過去問を数問。」
🔵 講師
「30分なら?」
🔴 学習者
「問題演習と間違い直し。」
🔵 講師
「まとまった時間なら?」
🔴 学習者
「新しい範囲や苦手分野、本番形式の問題です。」
🔵 講師
「次は?」
🔴 学習者
「勉強の重さを分けること。」
🔵 講師
「疲れている日は?」
🔴 学習者
「軽い勉強。」
🔵 講師
「集中できる時間は?」
🔴 学習者
「重い勉強。」
🔵 講師
「平日は?」
🔴 学習者
「つなぐ。」
🔵 講師
「休日は?」
🔴 学習者
「進める。」
🔵 講師
「予定が崩れたら?」
🔴 学習者
「一週間の中で調整する。」
🔵 講師
「できなかった時間は?」
🔴 学習者
「全部借金にしない。」
🔵 講師
「仕事が忙しくなって、勉強時間そのものが減ったら?」
🔴 学習者
「優先順位を変えます。」
🔵 講師
「全部を同じようにやらない?」
🔴 学習者
「はい。今の自分に必要なところへ時間を使います。」
🔵 講師
「AIは?」
🔴 学習者
「計画を作ったり、修正したり、短時間メニューを考えたりする補助に使います。」
🔵 講師
「AIが作った計画が生活に合わなかったら?」
🔴 学習者
「自分で変えます。」
学習者は自分の学習記録を最初のページから見返しました。
勉強を始めたばかりのころには、
「毎日1時間」
と大きく書かれています。
その下には、×印が何日も続いていました。
しかし最近のページには、
15分
5分
20分
休み
30分
90分
と、ばらばらの数字が並んでいます。
それでも、過去問の正解率は少しずつ上がっていました。
🔴 学習者
「面白いですね。」
🔵 講師
「何がですか?」
🔴 学習者
「最初の方が、計画だけを見ると立派です。」
🔵 講師
「毎日一時間ですからね。」
🔴 学習者
「でも実際には続いていません。」
🔵 講師
「今の計画は?」
🔴 学習者
「日によってバラバラです。」
🔵 講師
「でも?」
🔴 学習者
「続いています。」
🔵 講師
「どちらが合格へ近づいているでしょう。」
🔴 学習者
「今の方です。」
試験まで残り二週間。
学習者は、休日に本番を意識した問題を解きました。
以前よりも正解できる問題が増えています。
特に苦手だった物理・化学も、最初のころより安定して解けるようになっていました。
🔴 学習者
「先生、最初は社会人だから勉強できないと思っていました。」
🔵 講師
「今はどう思います?」
🔴 学習者
「社会人だから、社会人に合った勉強方法が必要なんだと思います。」
🔵 講師
「学生と同じように何時間も勉強できなくても?」
🔴 学習者
「その時間の中で進めればいい。」
🔵 講師
「仕事が忙しくても?」
🔴 学習者
「短い勉強に切り替える。」
🔵 講師
「疲れていたら?」
🔴 学習者
「軽い勉強にする。」
🔵 講師
「予定が崩れたら?」
🔴 学習者
「修正する。」
🔴 学習者
「以前は『時間がない』で終わっていました。」
🔵 講師
「今なら?」
🔴 学習者
「『今日は何分なら使える?』と考えます。」
🔵 講師
「10分なら?」
🔴 学習者
「10分でできることをやります。」
🔵 講師
「一時間なら?」
🔴 学習者
「一時間だからこそできる勉強をします。」
試験一週間前。
仕事から帰宅した学習者は、その日も少し疲れていました。
時計を見ると、寝るまでそれほど時間はありません。
以前なら、
「今日は一時間取れないから明日にしよう」
と参考書を閉じていたでしょう。
しかし学習者は机へ座りました。
問題集を開きます。
以前間違えた法令の問題を一問。
次にもう一問。
数字を一つ確認。
時計を見ると、約10分。
そこで問題集を閉じました。
🔴 学習者
「今日はこれで終わります。」
🔵 講師
「少なく感じますか?」
🔴 学習者
「いいえ。」
🔵 講師
「なぜです?」
🔴 学習者
「今日は仕事が忙しかったので、10分が自分のできる範囲だからです。」
🔵 講師
「明日は?」
🔴 学習者
「早く帰れる予定なので、30分やります。」
学習者はノートに、
10分 法令・間違い2問確認
と記録しました。
そして、その横に小さく○を書きます。
🔴 学習者
「社会人の勉強って、毎日同じペースで走ることじゃないんですね。」
🔵 講師
「どんな感じでしょう。」
🔴 学習者
「走れる日は走る。
忙しい日は歩く。
どうしても無理なら一日休む。
でも、また次の日に進む。」
🔵 講師
「それなら長く続けられそうですか?」
🔴 学習者
「はい。」
🔴 学習者
「仕事が落ち着くのを待っていたら、いつ資格勉強を始められるか分かりません。」
🔵 講師
「そういう人も多いでしょうね。」
🔴 学習者
「だから、時間ができるのを待つんじゃなくて、今の生活の中に入れる。」
🔵 講師
「はい。」
🔴 学習者
「5分でも、10分でも、30分でも、その日に使える時間を使う。」
🔵 講師
「そして休日に少し大きく進める。」
🔴 学習者
「予定が崩れたら、また組み直す。」
学習者は、自分が最初に書いた
「毎日1時間」
という文字を見ました。
そして、その下に新しい言葉を書き加えました。
「毎日同じ量をやる必要はない。仕事を続けながら、勉強も止めない仕組みを作る。」
🔴 学習者
「これなら、乙四だけじゃなくて、これから別の資格を取るときにも使えそうです。」
🔵 講師
「仕事をしながら学び続ける方法を身につけたということですね。」
🔴 学習者
「はい。
時間がある人になるのを待つんじゃなくて、今ある時間を使える人になろうと思います。」
理論編はこちらから
⑰ 社会人でも勉強を続けられる仕組み(理論編)
「資格を取りたい。でも、勉強する時間がない」 社会人が資格試験へ挑戦するとき、多くの人が最初にぶつかる問題です。 朝から仕事へ行く。 残業して帰宅する。 夕食を取る。 家事をする。 家族との時間も必要になる。 そして一日 […]
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